資生堂ホネケーキとは?歴史と現在から考える、長く愛される理由
資生堂ホネケーキは、昭和レトロなだけではなく今も使える現役の洗顔石鹸。香り、透明感、泡のきめ細かさ、さっぱり感から、長寿の秘密を考えます。
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「ホネケーキ」という名前を聞いて、すぐに「あれね」と分かる人は、今では少ないかもしれない。
でも、資生堂の売り場の端やネット通販を探すと、今もちゃんと見つかる。透明で、色がきれいで、香りがあって、洗い上がりははっきりさっぱりしている。古い石鹸というより、昭和の時点でかなり完成されていた洗顔石鹸、という印象がある。
最初に私がホネケーキを手に取った理由は、正直に言うと「ゼリーのデカい塊かと思ったから」だった。石鹸売り場にあるのに、透明で、色がきれいで、妙においしそうに見える。なんだこれは、と手に取ってしまった。
そして実際に使ってみると、見た目以上に驚いたのは泡だった。ふわっふわで、きめ細かい。価格を考えると、高級石鹸なのではないかと疑うほどだった。
この記事では、資生堂ホネケーキとは何か、どんな歴史を持つ商品なのか、現在も買えるのか、なぜ長く残り続けているのかを、私見多めで掘っていく。
ホネケーキとは?資生堂のロングセラー洗顔石鹸

ホネケーキは、資生堂の洗顔石鹸シリーズとして長く販売されてきた商品だ。現在のスキンケア売り場では、化粧水、美容液、洗顔フォーム、クレンジング、オールインワンなどが主役になっている。その中で固形石鹸のホネケーキは、かなり控えめな存在に見える。
ただ、実際に使ってみると、ただの懐かし商品ではない。ホネケーキの強さは、香り、透明感、泡のきめ細かさ、洗い上がりのさっぱり感にある。
今の洗顔料は、「うるおい」「美容成分」「毛穴」「透明感」「エイジングケア」など、いろいろな価値をまとっている。もちろん、それはそれで便利だ。でもホネケーキは、もっとシンプルだ。
余計なことをしてこない。
ただ泡立って、ただ洗えて、たださっぱりする。その潔さが、逆に今見ると新鮮に感じる。
資生堂の歴史の中で見るホネケーキ

ホネケーキを語る前に、少しだけ資生堂の歴史に触れておきたい。
資生堂は1872年、東京・銀座で創業した会社だ。もともとは西洋式の調剤薬局として始まり、そこから化粧品、デザイン、広告、文化発信まで広げていった。
資生堂の面白さは、単に商品を作ってきた会社ではなく、「美しさ」を商品、広告、売り場、パッケージ、文化のような形で表現してきたところにある。
この流れで見ると、ホネケーキもただの石鹸ではない。
透明感のある美しい見た目。開けた瞬間の香り。色ごとに違う印象。どこか宝石のようなパッケージ。洗顔石鹸としての実用性。
日用品でありながら、少しだけ化粧品らしい高揚感を持っている。ここが、ホネケーキのかなり資生堂らしい部分だと思う。
ホネケーキの名前の由来は?変だけど忘れられない名前
ホネケーキという名前は、初見だとかなり不思議だ。
「骨ケーキ?」と思う人もいるかもしれない。少なくとも、いまどきの洗顔料の名前ではない。
主成分である「ハチミツ」です。英語の「ハニー(honey)」が転じて「ホネ」となり、「ハニーケーキ(ハチミツのケーキ)」を意味して名付けられました。
今の商品名は、分かりやすさや検索性を重視して、機能をそのまま名前に入れることが多い。毛穴、酵素、泡、薬用、保湿、透明感。そういう言葉が並ぶ。
それに比べると、ホネケーキはかなり異物感がある。名前だけでは何の商品か分からない。でも、一度聞くと忘れない。
昭和の商品名には、たまにこういう強さがある。意味がすぐに分からないのに、妙に頭に残る。ホネケーキもまさにそうだ。
そして実物を見ると、その名前の変さが少し納得できる。透明で、色がきれいで、どこかゼリーや寒天のように見える。石鹸なのに、ちょっと食べ物っぽい。
私が最初に手に取ったのも、まさにそこだった。
ホネケーキの魅力は、まず匂いと透明感にある
ホネケーキの魅力をひとつに絞るなら、まず匂いだと思う。
パッケージを開けた瞬間に、石鹸らしい香りが立つ。甘すぎるわけでも、香水っぽすぎるわけでもない。清涼感があり、使う前から「これはさっぱりしそうだ」と感じる香りだ。
そして、あの透明感。
ホネケーキは、見た目の時点でかなり強い。透明のケースに入った色つきの石鹸は、中身を隠すのではなく、むしろ「この石鹸はきれいですよ」と堂々と見せている。
特にエメラルドはきれいだと思う。透明感と色のバランスがよく、洗面台に置いたときも妙に映える。赤は存在感が強い。とにかく目立つ。
この商品は、買った瞬間よりも、開けた瞬間に気分が上がる。
いまどきの洗顔料にも、パッケージの美しいものはたくさんある。でもホネケーキは、チューブやボトルの外側ではなく、石鹸そのものがきれいだ。ここが強い。
泡の質がいい。だからシェービングにも使っている
ホネケーキを使い続ける決め手になったのは、見た目ではなく泡だった。
泡が理想以上に質がいい。ふわふわで、きめ細かい。安い石鹸の泡というより、かなり上質な泡に感じる。
私は普段、ホネケーキを洗顔に使っている。ただし、何度も洗うというより、洗顔は1回で十分という感覚だ。さっぱり感がはっきりしているので、だらだら使うより、1回で気持ちよく終わる。
さらに、8年ほど前からシェービングクリームの代わりにも使うようになった。理由は、泡が肌に張り付くからだ。
ただ軽く泡立つだけではなく、きめ細かい泡が肌にしっかり乗る。カミソリを当てたときに、泡が一枚クッションになって、肌を守ってくれるような感覚がある。
もちろん、これはあくまで私の使い方であり、肌質によって合う合わないはある。ただ、洗顔石鹸としてだけでなく、日々の身支度の道具として使えるところに、ホネケーキの現役感がある。
ホネケーキの色の違い。私の基本はエメラルド
ホネケーキには複数の色があり、見た目の印象も使う気分も少し変わる。
私の場合、基本はエメラルドだ。透明感と色のバランスがよく、洗面台に置いたときも一番きれいに見える。石鹸としての実用品でありながら、ちょっとした置き物のような華やかさがある。
顔がギトギトしている夜は、レッドもありだと思っている。赤はとにかく目立つ。見た目の強さもあるし、気分的にも「今日はしっかり洗うぞ」というスイッチが入る。
パープルは、毎日というより週1くらいの気分替えのような存在だ。普段使いのエメラルド、皮脂が気になる日のレッド、週1のパープル。私の中ではそんな位置づけになっている。
ただし、色による使用感は人によって感じ方が違うはずだ。香りや洗い上がりの好みもあるので、気になるなら一度試してみればいい。
ホネケーキは、高級美容液のように失敗したときの痛みが大きい商品ではない。合わなければやめればいい。その気軽さも魅力のひとつだ。
現在のホネケーキは、主力商品ではないかもしれない
ホネケーキは今も残っている。けれど、現在の資生堂の主力戦力かと言われると、そうではないと思う。
資生堂コーナーに行っても、3色そろっていないことがある。ドラッグストアでも、堂々と中央に置かれているというより、売り場の端にいる感じがある。
この「端にいる感じ」が、現在のホネケーキのリアルだと思う。
今の資生堂は、グローバルなスキンケア、メイク、サンケア、プレステージブランドなど、多くの商品やブランドを展開している。その華やかな商品群の中で、ホネケーキは決して目立つ存在ではない。
でも、だからこそ面白い。
店頭の中心にはいない。若い人は知らないかもしれない。名前も変わっている。資生堂の商品なのに、ドラッグストアの端にいる。
それでも作り続けられている。
ここに、資生堂の誇りと自信のようなものを感じる。今の看板商品ではないかもしれない。でも、残す価値がある。そう判断されているから、今も買えるのだと思う。
ホネケーキは昭和レトロ商品なのか?私は「レトロでいい」と思う
ホネケーキは、昭和レトロ商品として語られることがある。
それはそれでいいと思う。むしろ、レトロさも価値だ。
ただし、「古臭い石鹸」として茶化すのは違う。ホネケーキは、昔の雰囲気を残した懐かし商品であると同時に、今も使える現役の洗顔石鹸でもある。
ここが大事だ。
ホネケーキは、レトロな棚に飾って終わる商品ではない。今の洗顔フォームや固形石鹸と並べて、現役の商品として比べてほしい。
比べるポイントは、美容成分の数ではない。香り、さっぱり感、泡のきめ細かさ、価格。この4つだ。
最新成分で戦う商品ではない。使った瞬間の気持ちよさと、毎日続けられる実用性で戦う商品だと思う。
パッケージの変遷と広告。石鹸なのにアートっぽい



ホネケーキの魅力は、石鹸そのものだけではない。パッケージや広告も含めて、かなり資生堂らしい商品だと思う。
透明のケースは分かりやすい。あの特徴的な透明の石鹸を、きちんと演出している。中身を隠さず、むしろ主役として見せる。これがホネケーキには合っている。
そして、パッケージを開けた最初の匂いにテンションが上がる。
昔のホネケーキ広告を見ると、石鹸なのにアートっぽい。単に「よく泡立ちます」「肌がさっぱりします」と説明するだけではなく、ビジュアルそのものに力がある。
日用品なのに、美意識がある。
当時の広告やデザインには、かなりお金と熱量を投じていたのではないかと感じる。石鹸を売っているというより、資生堂のデザイン力や世界観を見せているような印象がある。
ここは、現在のホネケーキの売り場での控えめな扱いと対照的だ。昔は広告の主役として強く打ち出され、今は売り場の端にいる。
派手な事件ではないが、この変化そのものが、長寿商品の「事件未満の事件」だと思う。
時代ごとのライバル製品を考える

ホネケーキのライバルを考えると、単純に「固形石鹸」というくくりだけでは足りない。
牛乳石鹸や花王ホワイトのような定番石鹸は、生活に深く根づいた商品だ。家族で使う、風呂場にある、家の石鹸という印象が強い。
一方、ホネケーキは少し違う。もっと化粧品寄りだ。
透明で、色があり、香りがあり、ケースを開ける楽しさがある。風呂場の備品というより、「今日はこれで顔を洗う」と選ぶ感じがある。
牛乳石鹸や花王ホワイトが「家の石鹸」だとしたら、ホネケーキは「自分の石鹸」という印象に近い。
洗顔料として比較するなら、ロゼット洗顔パスタはかなり近いと思う。どちらも、今どきの流行商品というより、昔から残っている実力派という雰囲気がある。
ただ、個人的にはホネケーキの方が少し優勢だ。理由は、香り、透明感、開封したときの高揚感、そして泡の質まで含めて、商品体験として強いからだ。
ロゼット洗顔パスタが「実力派の洗顔料」だとしたら、ホネケーキは「実力派で、なおかつ見た目に記憶が残る石鹸」だと思う。
売上の推移は分かるのか?ホネケーキ単体の数字は見えにくい
ホネケーキについて調べるうえで難しいのが、売上の推移だ。
資生堂全体の売上データは、統合レポートや財務資料で確認できる。しかし、ホネケーキ単体の年別売上や累計販売個数のようなデータは、少なくとも一般に確認しやすい公表資料では見つけにくい。
だから、「ホネケーキは何年に何個売れた」「売上はこのように推移した」と断言するのは危険だ。
ただし、数字が見えないから価値がないわけではない。むしろ、今の主力商品ではないにもかかわらず、長く販売が続いていること自体が重要だと思う。
売上の山で見る商品ではなく、残り続けた時間で見る商品。
ホネケーキは、そういうタイプの商品だ。
長い歴史の中で起きた「事件未満の事件」
ホネケーキには、大きな炎上や派手な事件があるわけではない。
でも、長寿商品の周辺には、小さな異変がある。
- いつのまにか店頭から減っている
- 若い人がそもそも知らない
- 名前が変すぎる
- 資生堂の商品なのに、ドラッグストアの端にいる
- 昔の広告が妙にかっこいい
これは、ひとつひとつは事件とは言えない。でも全部合わせると、ホネケーキの現在地が見えてくる。
かつて力を入れて売られていた商品が、今では少し影に追いやられている。けれど、完全には消えていない。若い人は知らないかもしれない。けれど、知っている人は知っている。店頭で見つからないなら、ネットで探す。
この感じが、妙にリアルだ。
ホネケーキは、派手に復刻されたレトロ商品ではない。ひっそり続いている現役商品だ。
ホネケーキの長寿の秘密は何か
ホネケーキが長く残っている理由は、ひとつではないと思う。
私の中では、理由は5つある。
余計なことをしない完成度
ホネケーキは、いろいろ足してこない。美容液のような顔をしないし、最新成分で説得してこない。ただ、石鹸として泡立ち、洗えて、さっぱりする。
この「余計なことをしない」感じが、今見ると強い。
香りと透明感の記憶
箱やケースを開けたときの香り。透明で色のある見た目。これは、一度ハマると記憶に残る。
洗顔料は毎日使うものだから、機能だけでなく、使う前の気分も大事だ。ホネケーキは、その点でかなり強い。
安く買えるのに高級感がある
ホネケーキは、価格的には試しやすい商品だ。合わなければやめればいい、と思えるくらいの気軽さがある。
でも、泡の質や見た目は安っぽくない。ここが良い。
昭和の名品なのに、今も実用品である
ホネケーキは、懐かしむだけの商品ではない。今も洗顔に使える。個人的には、シェービングにも使っている。
昭和の商品でありながら、今の洗面台に置いても普通に役に立つ。この現役感があるから、ただのレトロで終わらない。
資生堂が捨てなかった誇り
ホネケーキは、現在の主力商品ではないかもしれない。売り場でも端にいる感じがある。
でも、それでも資生堂は作り続けている。
その事実に、企業としての誇りや自信を感じる。まだ出す価値がある。そう判断されている商品なのだと思う。
ホネケーキはどんな人に向いているか
ホネケーキは、万人にとって最高の洗顔石鹸だとは思わない。
乾燥肌の人には、さっぱり感が強く感じられるかもしれない。香りが苦手な人もいるかもしれない。今の保湿重視の洗顔料に慣れている人にとっては、洗い上がりがはっきりしすぎていると感じることもあると思う。
それでも、次のような人には一度試す価値がある。
- さっぱりした洗い上がりが好きな人
- 泡のきめ細かさを重視する人
- 固形石鹸が好きな人
- 最近の洗顔料の「いろいろ入ってます」感に少し疲れている人
- レトロな見た目だけでなく、実用品として使ってみたい人
一度試して、合わなければやめればいい。ホネケーキは、そう言えるくらい手に取りやすい商品だ。
ホネケーキはどこで買える?店頭になければネットでもいい
ホネケーキは、店頭では少し影に追いやられている感覚がある。
資生堂コーナーに行っても、いつも3色そろっているとは限らない。ドラッグストアで探しても、すぐ見つからないことがある。
だから、確実に欲しいならネットで買うのもありだと思う。
初めて買う人には、ぜひ実物を見てほしい。透明のあの宝石みたいなきれいさに、たぶん少しびっくりする。
写真で見てもきれいだが、手に取るとまた違う。石鹸なのに、物としての存在感がある。
まとめ:ホネケーキは、昭和の完成品であり、今も現役の洗顔石鹸である
ホネケーキは、今の資生堂の主力商品ではないかもしれない。
店頭で3色そろっていないこともある。若い人は知らないかもしれない。名前も変わっている。ドラッグストアの端にいることもある。
でも、それでも残っている。
私はそこに、この商品の強さを感じる。
ホネケーキの魅力は、懐かしさだけではない。余計なことをしない完成度、香りと透明感の記憶、安く買えるのに高級感があること、昭和の名品なのに今も実用品であること。そして、資生堂がこの商品を捨てなかったこと。
その全部が重なって、ホネケーキは今も現役であり続けている。
レトロ商品として眺めるだけではもったいない。今の洗顔料と並べて、普通に比べてほしい。
香り、さっぱり感、泡のきめ細かさ、価格。
その4つで見たとき、ホネケーキはまだ十分に戦える。昭和にすでに完成していたものが、今も洗面台でちゃんと役に立つ。そのこと自体が、ちょっと神秘的だと思う。
参考資料
- 資生堂公式サイト「History」
- 資生堂公式サイト「The origin of the name Shiseido」
- 資生堂公式サイト「Shiseido Corporate Museum Online Tour」
- 資生堂「Integrated Report 2020 / Historical Selected Financial Data」